150カ国以上で実施される国際的な英語試験。TOEFL・IELTS同様に実用運用力を重視し、一度取得すると生涯有効の資格が特徴です。
ケンブリッジ英語検定とは(概要)
ケンブリッジ英語検定試験(Cambridge
Examination)は、150カ国以上で実施されている国際的に認められた英語試験です。英語を母語としない受験者を対象とし、知識のみならず「使いこなす力」に重点。さらに一度取得すると生涯有効で、実力の証明として挑戦する受験者が多いのが特徴です。
レベル体系(A2〜C2の5段階)
A2 Key(KET)
日常のあいさつ・簡単なやり取りなど最低限のコミュニケーションが可能。
B1 Preliminary(PET)
基礎力が定着し、日常生活の基本参加に十分な実用力を証明。
B2 First(FCE)
生活・学習・仕事で問題なく英語を使用できる中級上位。留学・就業の入口。
C1 Advanced(CAE)
ビジネス・アカデミック領域で高度な英語を運用できる上級力を証明。
C2 Proficiency(CPE)
ネイティブに近い最上級の運用力を証明。
出題形式:A2 Key(KET)
Paper 1:Reading & Writing(約70分)
標識・掲示の理解、語彙空所補充、短会話の応答、230語程度の読解、綴り指定の記述、メモやEメールの穴埋め、申込用紙の作成、25〜35語の短いメッセージ作成など。
Paper 2:Listening(約30分)
短い会話の選択、長めの会話の要点把握、対話の内容選択、必要情報の記述、メモの空欄補充など。
Paper 3:Speaking(8〜10分)
試験官との自己紹介、受験者同士の質疑応答(カードに基づく)。
出題形式:B1 Preliminary(PET)
Paper 1:Reading & Writing(約90分)
掲示・説明書・Eメールなどの短文理解、人物と文章のマッチング、正誤判定、意見文読解、文法語彙の空所補充、意味保持の変換記述、35〜45語のメッセージ、約100語の手紙または物語。
Paper 2:Listening(約35分)
短い音声の内容選択、独話・インタビュー理解、アナウンスの書き取り、2者会話の正誤判定。
Paper 3:Speaking(10〜12分)
自己紹介、状況設定での対話、写真描写、関連トピックのペアディスカッション。
出題形式:B2 First(FCE)
Paper 1:Reading & Use of English(約75分)
選択式・記述式の空所補充、語形成、言い換え、長文読解(設問選択/文挿入/多重マッチング)。
Paper 2:Writing(約80分)
課題に基づく140〜190語のエッセイ、記事・手紙・書評・物語などから選択して執筆。
Paper 3:Listening(約40分)
短い音声の要旨選択、記述補充、複数モノローグのマッチング、会話・インタビュー理解。
Paper 4:Speaking(約14分)
自己紹介、写真比較説明、共同タスク(意思決定)、関連トピック討議。
出題形式:C1 Advanced(CAE)
Paper 1:Reading & Use of English(約90分)
多肢選択・穴埋め・語形成・言い換え、長文読解(選択/文挿入/多重マッチング)。
Paper 2:Writing(約90分)
220〜260語のエッセイ、提案書・報告書・書評・手紙などから選択執筆。
Paper 3:Listening(約40分)
3音声×各2問の選択、空所補充、2者会話理解、多重マッチング。
Paper 4:Speaking(約15分)
自己紹介、写真説明、カードに基づくディスカッション、関連トピックの深掘り議論。
出題形式:C2 Proficiency(CPE)
Paper 1:Reading & Use of English(約90分)
高度な文法・語彙運用(多肢選択/記述/語形成)、長文3セット(選択・段落補充・多重マッチング)。
Paper 2:Writing(約90分)
要約+意見のエッセイ(240〜280語)、記事/書簡/報告書/書評など(280〜320語)。
Paper 3:Listening(約40分)
短い音声の選択、長尺モノローグの空所補充、長尺対話の選択、多重マッチング。
Paper 4:Speaking(約16分)
写真ベースの共同タスク、カード討議、トピックの深化議論。
他英語試験との比較(対応目安)
ケンブリッジ | CEFR | 英検 | TOEIC | TOEFL iBT | IELTS | TEAP | GTEC |
---|---|---|---|---|---|---|---|
KET | A2 | 3級 | ~300 | ~40 | ~3.0 | ~135 | ~700 |
PET | B1 | 2級 | ~530 | ~60 | 5.0 | ~308 | ~1080 |
FCE | B2 | 準1級 | ~750 | ~90 | ~6.0 | ~374 | ~1300 |
CAE | C1 | 1級 | ~900 | ~100 | ~7.5 | ~400 | ~1400 |
CPE | C2 | 1級 | ~990 | ~120 | ~7.5 | ~400 | ~1400 |
入試で使える大学(例)
原稿の記載に基づく例(年度・方式は大学の最新情報を必ず確認)。
- 国際教養大学 国際教養学部:FCE 176以上
- 茨城大学 工学部:100以上
- 千葉大学 国際教養学部・教育学部(英語教育コース):140以上
- 千葉大学 園芸・看護・文学(日本・ユーラシア)・法政経・教育(英語除く)・理・工・薬:153以上
- 東京海洋大学 海洋生命科学・海洋資源環境:120以上
- 東京芸術大学 音楽学部:FCE160以上
- 富山大学 理学部:120以上
- 金沢大学 文系・人間社会・理系・理工・医薬保健・融合:140以上
- 静岡県立農林環境専門職大学 生産環境経営学部:120以上
- 兵庫県立大学 国際商経(グローバルビジネス):140以上/(経済・経営):120以上
- 岡山大学 全学部:180以上
- 叡啓大学 ソーシャルシステムデザイン学部:140以上
- 尾道市立大学 経済情報学部:140以上
- 広島大学 全学部:160以上
- 九州大学 共創学部:160以上
- 九州工業大学 全学部:118以上
- 鹿児島大学 全学部:FCE以上
ケンブリッジ試験の対策(実用力を鍛える)
① 海外記事・ドラマで「実用運用」をインプット
単語帳・問題集で基礎を固めつつ、実際の英語が使われる媒体で語彙・コロケーション・機能表現を吸収し、試験に転用。
② スピーキング練習(意見構築×相互作用)
試験官+他受験者と議論する形式に慣れが必須。意見の骨子作り、譲歩・反論・合意形成の定型句、緊張対策まで反復。
総まとめ
ケンブリッジ英語検定は、実用運用力に焦点を当てた生涯有効の国際資格。CEFR準拠の5段階から目的に合うレベルを選び、各Paperの形式に合わせて「実践的素材×試験対策」を併走するのがスコアアップの近道です。