IELTSは世界最大級の英語能力評価試験。留学・移住・就職で必要な英語力を4技能で測定します。
IELTSとは(概要と国際的な認知度)
IELTS(International English Language Testing System)は、
世界最大級の受験者数と認知度を持つ英語の能力評価試験です。英語の環境での授業についていく、もしくは仕事をしていく、生活をしていく際に必要な英語力がどの程度あるかを、測定します。英検と同じように、聞く、読む、書く、話すの4つの技能(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)が総合的に試されます。IELTSの特徴は、その国際的な認知度の高さです。IELTSを認定している機関は世界中に11,000以上あり、まだ増加中です。
IELTSの試験タイプ:アカデミックとジェネラルの違い
IELTSアカデミック・モジュール(留学・高等教育向け)
「IELTSアカデミック・モジュール」は、主に英語圏の大学への留学申請をする際や、AOや推薦入試でIELTSが利用できる日本の大学への出願をする際などに利用されます。したがって、高等教育を受ける環境において必要な英語運用能力を備えているかどうかを測るテストになります。試験内容も大学の講義や論文など、学術的な場面を想定した出題が中心になっています。
IELTSジェネラル・トレーニング・モジュール(就労・移住向け)
「IELTSジェネラル・トレーニング・モジュール」は、英語圏での就職をする際や、英語圏に移住をする際のビザの申請時に英語力を証明するためのテストです。スコアや他の条件を満たせば、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドへの永住申請が可能にもなります。したがって、試験内容は日常生活や職場でのやり取りに関する設問が多く出題されます。
IELTSの採点とバンドスコア(1.0〜9.0)
4技能のバンドスコアとオーバーオールの算出方法
英検などの合格・不合格という判定とは違い、IELTSではスコアによって運用能力を評価されます。IELTSでは、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つの技能において、1.0~9.0までの間で、0.5刻みでバンドスコアと呼ばれる段階評価が与えられます。それらを平均した値をオーバーオールと呼び、それがその人のIELTSスコアとなります。つまり、4つのバンドスコアを足して4で割った数字です。オーバーオールは0.5刻みになるよう四捨五入します。
スコア目安(レベル別の到達イメージ)
~1 | ほんのわずかな簡単な英単語を聞いたり話したりすることが出来るレベルです。英語でのコミュニケーションはほとんど取れません。知っている英単語を並べることで最低限の意思を伝えることが出来ます。 |
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~3 | 日常生活で良く使うフレーズや、身近な内容であれば簡単なもののみ英語を理解することが出来るレベルです。会話でも、ゆっくりと話せば聞き取れることもありまが、ネイティブの会話を聞き取ったり、スムーズに会話をすることは不可能で、英語の運用能力はまだかなり低いと言えるでしょう。 |
~5 | 完全ではないものの、英語を少しずつ使えるようになります。日常生活で使われている会話や文章はおおむね意味が分かり、把握が出来ます。また、自分の得意な分野では基本的なコミュニケーションなら取ることが出来ます。ただ、知らない分野の話題では会話につまることや、間違った表現を使ってしまう、または文章を読むことはできるが話すことはできないなど、不自由な点もまだ残ります。 |
~7 | 優秀な英語スキルがあり、ある程度の英語を使いこなすことが出来るレベルです。自分が得意とする分野では複雑な言い回しや難易度の高い英単語、英文法にも対応が出来ます。基本的なコミュニケーションであればネイティブとの会話もできますが、まれに適切な表現が出来ないこともあります。 |
~9 | ネイティブスピーカーに限りなく近い、もしくは同等の英語力を持っていると言えるレベルです。ビジネスシーンでの議論や専門的な話題についても問題なく理解し、話すことが出来ます。日本人が日本語を話すのと同じように、英語を話せます。 |
IELTSの問題形式(4技能の出題概要)
リスニング(30分):会話とモノローグの理解
<アカデミック、ジェネラルトレーニング共通>
- パート1: 日常生活の会話(宿泊施設の予約など)
- パート2: 日常生活のモノローグ(地域施設の説明、会議の食事手配など)
- パート3: 教育・研修現場での最大4人の会話(課題の議論、グループでの計画など)
- パート4: 学術的テーマのモノローグ(大学講義など)
リーディング(60分):アカデミックとジェネラルの違い
アカデミック(学術的長文読解)
3セクション構成。書籍・雑誌・新聞からの抜粋で、一般向けの学術テーマ。表・グラフ・イラストを含むこともあり、専門用語には注釈が付く場合があります。
ジェネラルトレーニング(日常・職場文書の読解)
- セクション1:日常生活に関する短文(掲示・広告など)
- セクション2:仕事関連の短文(応募・会社方針・賃金・研修など)
- セクション3:一般トピックの長めで複雑な文章
問題タイプ:選択肢、情報識別、見出し選択、内容一致、要約完成 など
スピーキング(約11~14分):面接官との対面試験
- パート1:自己紹介・インタビュー(4~5分)
- パート2:1分準備→1~2分スピーチ(3~4分)
- パート3:テーマ関連のディスカッション(4~5分)
ライティング(60分):タスク1・タスク2
アカデミック
- タスク1:グラフ・表・図の要約・説明(比較やプロセス説明など)
- タスク2:意見・論点・問題に関するエッセイ(アカデミック/セミフォーマル/ニュートラル)
ジェネラルトレーニング
- タスク1:状況に合わせた手紙(個人的/セミフォーマル/フォーマル)
- タスク2:一般時事テーマのエッセイ(より個人的でカジュアル)
IELTSと他の英語試験の比較(英検・TOEIC・TOEFL・CEFRほか)
目安換算(スコア帯ごとの比較表)
IELTS | 英検 | CEFR | TOEIC | TOEFL iBT | その他試験 |
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2.0 | ~4級 | – | ~300点 | ~20点 | TEAP ~135 / GTEC ~400 |
3.0 | 3級 | A2 | ~400点 | ~40点 | ケンブリッジKET / TEAP ~224 / GTEC ~700 |
5.0 | 2級 | B2 | ~580点 | ~70点 | ケンブリッジFCE / TEAP ~308 / GTEC ~1080 |
7.0 | 1級 | C1 | ~950点 | ~110点 | ケンブリッジCAE / TEAP ~400 / GTEC ~1400 |
9.0 | – | C2 | ~990点 | ~120点 | ケンブリッジCPE |
IELTSスコアが入試で有利になる大学(例)
・国際教養大学国際教養学部:6.5点以上
・茨城大学 工学部:4.0点以上
・千葉大学 国際教養学部、教育学部(学校教員養成課程英語教育コース):4.0以上
・千葉大学 園芸学部、看護学部、文学部(人文学科日本・ユーラシア文化コース)、法政経学部、教育学部(英語教育コース除く)、理学部、工学部、薬学部:5.0以上
・東京海洋大学 海洋生命科学部・海洋資源環境:3.5以上 / 海洋工学部:4.0以上
・東京芸術大学 音楽学部:5.5以上 …ほか
IELTSの効果的な対策方法(独学・指導の進め方)
① 日本語の公認問題集を完璧にする
まずは日本語の公認問題集を用意し、出題形式・採点基準を把握。アカデミック頻出の専門語も確認します。
② スピーキングを定期的に練習する
面接官との対話形式のため、独学より対人練習が有効。オンライン授業や協力者と演習しましょう。
③ セクションを分けて順序立てて学習する
推奨順は「リーディング → リスニング → ライティング → スピーキング」。読解が土台となります。