・ChatGPT とは
・ChatGPT 登録の仕方
・基本的な使い方と用語
・プロンプトのポイント
ChatGPT(Chat Generative Pre-trained Transformer)とは、OpenAIが2022年11月に公開した人工知能チャットボットです。
無料で出来ることと、生成された文章の完成度、人間味のある回答から、「会話ができるAI」として大きな話題となりました。
現在では、企業に取り入れることで業務を効率化したり、ChatGPTに使われている技術(GPT-4)を使ったアプリなど、様々な分野に応用されていますが、実際にChatGPTを使ったことがある人は約30%※で、約7割の人たちは「使い方が分からない」という理由で上手く活用できていないようです。
この記事では、ChatGPTを始めるための手順と、勉強を目的とした使い方について解説します。
1.https://chat.openai.com/auth/login にアクセスします。ページ真ん中の右側にある「Sign up」をクリックします。
2.Email address に、自分のメールアドレスを入力して、Continueをクリックします。
※実際のアドレスを利用しているため、黒線で伏せています。
Password に、任意のパスワードを入力し、Continueをクリックします。
3.入力したメールアドレスに OpenAI からメールが届いています。
「Verify email address」をクリックします。
4.First name と Last name と Birthday を入力して、Continueをクリックします。
電話番号の入力欄に電話番号を入力し、Send code をクリックします。
電話番号に送られてきた認証コードを入力します。
5.登録完了です。
使い方は難しくありません。ページ下部にあるSend a messageに、文章を入力して送信すると、ChatGPTから返答がきます。
手始めに、しりとりで遊んでみましょう。
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自分:しりとりをしましょう。最初は「りんご」で、私からスタートです。
ごりら
GPT:らっぱ
自分:ぱんだ
GPT:だんご
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りんごからスタートでしたが、特に面白味のない回答が返ってきました。普通のしりとりですね。
最初に僕が入力をした「しりとりをしましょう。最初は「りんご」で、私からスタートです」という文章のことを、プロンプトと呼びます。ChatGPTが応答を生成するための命令文のことで、このプロンプトをどう工夫して入力するかで、ChatGPTの応答の仕方、質が変わってきます。今回は勉強で使っていきたいので、とりあえず英単語の勉強法を聞いてみました。
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自分:英語の勉強法を教えてください。
GPT:英語の勉強法は多くありますが、以下にいくつかの勉強法を紹介します。
英語の勉強法にはいくつかの方法がありますが、以下にいくつかの基本的な勉強法を紹介します。
英語のリスニングとスピーキングに慣れるために、英語の音声教材を聞くことが大切です。ポッドキャスト、YouTube、または音声付きのニュースを聞くことができます。
英語の単語やフレーズを暗記することは、英語を習得するために重要なスキルです。英単語帳を使ったり、Flashcardアプリを使うと、単語の覚えやすさが向上します。
文法を勉強することも、英語を習得するために重要です。文法書を読んだり、文法のルールを覚えるために練習問題を解くことができます。…(続)
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すごいですね。プロンプトを特に工夫せずとも、英語の勉強方法がいくつか返ってきました。が、これでは少し物足りなさもあります。なぜなら、この程度の返答であればGoogle検索で十分だからです。
基本的な使い方はここまでとして、次の項目からは、プロンプトを工夫してより質の良い、有用な返答がされるようにしてみます。
返答の質を上げるプロンプトの工夫はたくさんありますが、今回は勉強に利用するため、という目的に絞りつつポイントを挙げていくので、勉強以外では使えないポイントがあることをご理解ください。
1. 立場と条件を指定する。
これは勉強法に限らず、ChatGPTを使う際のポイントでもありますが、何の立場から回答するのかを指定すると、その人になりきって回答をしてくれるようです。加えて、守ってほしいルールを指定しておくと、より出力の質が高くなります。
と、言われても難しいですよね。
例えば英語の勉強法を教えてもらうなら、こんなのはどうでしょう。
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自分:
あなたはプロの学習メンターです。専門家の立場から、生徒の学習スケジュールを作成します。
出力の際、指定された時間を分単位で区切って学習の指示を出してください。
また、生徒が実践しやすいよう可能な限り具体的な指示にしてください。
最後にそのスケジュールにした根拠を説明してください。
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ここでのポイントは、まず「あなたはプロの学習メンターです。」と入力したことです。今回は勉強に使いたいので学習メンターという言葉を使いましたが、質問するときに「こういう人から話を聞きたい」という人を指定すれば、その人になりきって回答を出力してくれます。
加えて、出力する際に守ってほしいルールを書いておきます。例えば、今回はとにかく実践しやすいよう具体的なスケジュールが欲しかったので、分単位で区切って指示を出すこと、具体的にすること、そして納得して勉強ができるよう根拠を説明すること、などを指定しました。
さて、ここまではできましたが、肝心な命令文がないので、これでは英語の勉強法は分かりません。命令文を考えてみましょう。
2. 可能な限り具体的な命令をする。
先ほどのように、「英語の勉強法」と命令すると、その目的はリスニングなのか、リーディングなのか、はたまた単語なのか、そしてどのレベルなのか、1日どのくらいの時間を使えるのか、など、不明瞭な点が多すぎるため、期待している回答が得られない可能性が高くなります。
可能な限り明確にしたいので、今回は「英語の学習スケジュール」に絞ってみましょう。
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自分:
あなたはプロの学習メンターです。専門家の立場から、生徒の学習スケジュールを作成します。
出力の際、指定された時間を分単位で区切って学習の指示を出してください。
また、生徒が実践しやすいよう可能な限り具体的な指示にしてください。
最後にそのスケジュールにした根拠を説明してください。
私が1時間勉強するときの、英語の学習スケジュールを作成してください。
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良い感じですね。これで完成かと思われますが、少し「できる人」っぽく変えてみましょう。
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# 命令文:
あなたはプロの学習メンターです。専門家の立場から、# 制約条件 に従って、生徒の学習スケジュールを作成してください。
# 制約条件:
・指定された時間を分単位で区切って学習の指示を出す。
・生徒が実践しやすいよう可能な限り具体的な指示にする。
・そのスケジュールにした根拠を明確にする。
私が1時間勉強するときの、英語の学習スケジュールを作成してください。
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簡単に言うと、ChatGPT側が認識しやすい(誤認識しにくい)ように、分類して分かりやすくしてみました。ちょっとした工夫なので、特に何も考えずコピーして使ってみると良いと思います。
これで完成でもいいのですが、今回に関してはもうひと工夫してみたいと思います。
3. 出力形式を指定する。
これは指定してもしなくても大丈夫です。ただ、したほうが出力が見やすくなったりするので、一応解説をしておきます。
例えば今回の場合、学習のスケジュールを作成してもらいたいので、文章よりも箇条書きのように出力されたほうが、分かりやすいですよね。
ということで、こんなことを指定してみます。
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# 形式:
○○分:~~
○○分:~~
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これで、少しは分かりやすくなるでしょうか。これも指定の仕方は色々あり、例えば「テーブル形式で」とお願いすれば、表で出力されたりします。
これで、完成した文をChatGPTに入力してみると、どんな回答が返ってくるでしょうか。
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GPT:
0-5分:リラックスして深呼吸をする。集中力を高めるために、5回深呼吸をしてリラックスしてください。
5-20分:英語のリスニングに集中する。ヒアリング力を養うため、英語のニュースやポッドキャスト、または英語での会話を聞き流しましょう。
20-35分:英語のリーディングに集中する。英語の記事や本を読み、新しい単語やフレーズを学びましょう。
35-45分:英語の発音練習をする。正しい発音を習得するため、英語の発音練習アプリやYouTubeの動画を利用しましょう。
45-55分:英語の文法を学ぶ。英語の文法書やオンラインの文法レッスンを使って、文法ルールを学びましょう。
55-60分:復習とまとめ。前述の学習内容を復習し、新たに学んだ単語やフレーズをメモしましょう。
以上が、1時間の英語学習スケジュールです。このスケジュールは、英語学習に必要な4つのスキル(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)をバランスよく学ぶことができます。また、集中力を高めるために、学習内容を変えることで疲れにくく、効率的に学習を進めることができます。
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どうでしょうか。プロンプトを工夫しなかった場合の出力と比べて、スケジュールによって勉強方法が明確化されていますね。これならあとは実践するだけなので、やりやすいのではないでしょうか。
あとはこのプロンプトを応用して、他の科目の学習スケジュールを作ってもらったり、分からない問題を解説してもらったり、色々な使い方が出来ます。
4. その他の使い方
・英文を添削してもらう。
・問題を作成してもらう。
・会話形式で解説してもらう。
…など、様々な使い方があるので、プロンプトを考えてみてください。