TOEFL® iBT(Test Of English as a Foreign Languag)です。主に英語圏に住んでいない人が、英語圏の国へ留学する際に、自身の英語力を証明するために利用されます。試験は英検®と同じく、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つで構成されており、合計で約3時間程度かかります。
試験は年で50回程度開催されており、テスト日と会場はウェブサイトで確認が出来ます。
英検®と違う点は、評価方法です。「何級」のように級でレベル分けされているわけではなく、点数で評価されます。受験者は全員同じ試験を受け、その試験で何点取れていたかが自身の英語力の証明になるわけです。自宅でのオンライン受験も可能です。
~~40点: | 自己紹介や挨拶など、初歩的な英語が使えるという評価です。英検®でいうと4級や5級レベルになります。 |
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40~50点: | 日常的な会話ができる、正確で簡単な文章を作ることができます。英検®準2級レベルです。自分の興味のある分野の話題には問題なく対応ができますが、なじみのない話題には躓く場合があります。 |
50~60点: | なじみのない話にもある程度対応でき、特定の話題についてはより高いレベルでの会話が可能です。文章の構成力も上がります。英検®2級が取得できるレベルです。 |
60~70点: | 英語圏での生活において、たいていの事態に対応でき、問題なくコミュニケーションが取れます。60点という点数は、海外の4年制大学へ出願が可能な最低ラインになります。 |
70~80点: | 自分の得意な分野においては、複雑な文章を書くことができ、細かい議論や説明も可能です。英語圏でもほぼ問題なく生活できます。英検®準1級レベルです。海外の4年生大学出願の一般的なラインです。 |
80~90点: | 自分の得意な分野において、踏み込んだ深い議論をすることができ、英語圏の人たちとも流暢に会話ができます。英検®1級に挑戦できるレベルです。海外の一部のトップレベルの4年制大学に出願ができます。 |
90~100点: | 高いレベルで英語が運用可能で、長く複雑な文章も構成できるレベルです。英検®1級は問題なく取得できます。海外の一部のトップレベルの4年制大学に出願ができます。 |
100点以上: | 英語圏のネイティブと変わらず英語を運用可能なレベルです。日本語を話すのと同じレベルで英語を話すことができます。海外のトップレベルの大学に出願ができ、海外での就職も全く問題ないでしょう。 |
世界の平均点は約83点、日本人の平均は約72点くらいです。
TOEFL®の試験には、「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」という4つのセクションがあります。試験時間は約2時間ですが、試験時間に対して問題数が多いので、スピードを意識する必要があります。
このセクションでは、英語で学術的な文章を理解する能力が試されます。文章が2つ用意されており、それぞれ問題数は10問ずつで、計20問が出題されます。出題形式は、選択肢から正しい回答を選ぶ問題や、空欄補充の問題など様々です。
※今までは、解答しても点数に加算されないダミー問題がありましたが、2023年7月から撤廃されました。
このセクションでは、講義形式の問題が3~4題、会話形式の問題が2~3題出題されます。特に講義形式の問題では、特定の分野についてあまり聞きなれない専門用語が話されるので、難易度は高くなります。
また、講義や会話の文章が流れた後に設問が明らかになるため、先に設問を読んでキーワードを抑えて、リスニングを聞き取りやすくする、という他の英語の試験で有効的な解き方ができませんので注意が必要です。
※今までは、解答しても点数に加算されないダミー問題がありましたが、2023年7月から撤廃されました。
このセクションでは、「Independent task」と「Integrated task」がそれぞれ2問と4問、計6問出題されます。
「Independent task」では、短めの質問文が提示され、それに対する考えを述べます。自分にとって身近な話題について答える問題と、対立する2つの立場のどちらかに立ち根拠を含めて意見を述べる問題があります。
「Integrated task」では、文章を読んでからその文章に関する音声を聞き、2つから得た情報をもとに話す問題と、最初から音声のみを聞いて話す問題が出題されます。
このセクションでは、「Integrated task」と「Academic Discussion task」がそれぞれ1問ずつ、計2問出題されます。
「Integrated task」では、最初に3分間で文章を読み、それについての2分の講義を聞いてから、20分で質問に答える文章を記述します。「読む→聞く→書く」という3種類の技能が必要になります。
「Academic Discussion task」では、問題の指示を確認したあと、教授と学生の発言内容を読んで、自分の意見を記述します。制限時間は10分です。
英検® | CEFR | TOEIC® | IELTS | GTEC |
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4級 | A1 | ~300点 | ~2.0点 | ~400点 |
英検® | CEFR | TOEIC® | IELTS | ケンブリッジ | TEAP | GTEC |
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3級 | A2 | ~400点 | ~3.0点 | KET | ~135点 | ~700点 |
英検® | CEFR | TOEIC® | IELTS | ケンブリッジ | TEAP | GTEC |
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2級 | B2 | ~580点 | ~5.0点 | FCE | ~308点 | ~1080点 |
英検® | CEFR | TOEIC® | IELTS | ケンブリッジ | TEAP | GTEC |
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準1級 | B2 | ~750点 | ~6.0点 | FCE | ~374点 | ~1300点 |
英検® | CEFR | TOEIC® | IELTS | ケンブリッジ | TEAP | GTEC |
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1級 | C1 | ~880点 | ~7.0点 | CAE | ~400点 | ~1350点 |
CEFR | TOEIC® | IELTS | ケンブリッジ | TEAP | GTEC |
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C2 | ~990点 | ~9.0点 | CPE | ~400点 | ~1400点 |
TOEFL® iBTの特徴は、セクションごとで出題される問題がはっきり分かれていることです。なのである程度勉強を進めたら、早い段階で一度過去問を解いてみるといいです。現時点で何点くらい取れるのか、ということも大事ですが、どちらかと言えば自分はどこが苦手でどこを強化するべきなのか、どこに時間がかかってしまうのか、という分析をし、今後の勉強の仕方を工夫することが大事です。
また、セクションの中の問題が大きく変わることはないので、後半の追い上げ時期には過去問と予想問題をたくさん解いて、出題形式に慣れましょう。
英語の勉強の一番基礎となる部分は単語・熟語ですが、英単語を見て、日本語訳が分かる!というだけでは、TOEFL® iBTで点数を取ることはできません。なぜなら、TOEFL® iBTは書く能力、聞く能力、話す能力もセクションごと試されるからです。単語の発音という細かい部分まできちんと覚え、その単語を聞き取れるか、単語を使って文章を書くことができるか、そしてさらには自分で話せるか、というところまで身に付ける必要があるわけです。
英単語は見て書いて覚えるだけではなく、正しい発音を調べて聞いて、それを真似して音読をしましょう。正しい発音を聞くことでリスニングにも慣れ、それを発音することで徐々に自分で発音が出来るようになります。単語だけでなく、それを使った簡単な例文も丸ごと覚えると、ライティングセクションでも使えるレパートリーが増えてより良いです。
なによりも、単語は発音をしたほうが定着率が高いので、普段見て覚える、書いて覚えるという勉強をしている人でも、TOEFL®を機会に音読する勉強を試してみてください。
4つのセクションごと勉強の仕方は多少変わりますが、一番気を付けなければいけないのは対策をするセクションの順番です。基本的な順番は、「リーディング→リスニング→ライティング→スピーキング」になります。
まず、英単語・熟語と文法の基礎知識をもとに、英語の文章が”読める”状態になることが最初のゴールです。文面で読んでも意味が分からないものは聞いたってわからないし、意味が分からないものは当然書けないし、話せないからです。長文演習をたくさんして、解説をきちんと音読して、まずは初見の英文が7,8割読める状態になってから、次のステップに進みます。
読めるようになったら、それが聞き取れるようにリスニングで練習を始めます。リーディングとリスニングで文章がある程度読める、聞き取れる状態になったら、そこで得た知識を使って英文を作るライティングの練習に入ります。英文が自分で作れるようになってきたら、今まで作った英文を”書く”という工程だったものを”話す”という工程に変えてみます。これが最後のスピーキングですね。
順番はこんな感じでやりますが、リスニングとライティングは同時並行で練習しても良いと思います。