文学部と聞くと、日本の文学や世界の文学を詳しく学んでいくイメージがあると思うのですが、そうではないです。
文学部は、人が作り出した文化や、人とはどんな存在なのかなどを学ぶ学部になります。
そのため、学んでいく内容は「文学」だけでなく、「心理学」「歴史学」「哲学」「考古学」「文化人類学」など、多岐にわたります。
また「文学」という分野の中でも「日本文学」や「外国文学」などの異なるテーマがあり、幅広いジャンルに分かれています。
つまり、文学部では広いジャンルの中から自分の興味のあるものを学ぶことができます。
文学部で学べる分野は幅広いものの、代表的な学問の系統として「文学・言語系」「心理・思想系」「歴史・地理系」に分けられます。
今回はそれぞれどのようなことを学んでいくのかお伝えしていきます。
文学・言語系では、文学作品や人が使う言語などを学んでいきます。
ただ文学作品を読むのではなく、文学を通して人の文化や歴史、思想や社会を学んでいきます。
そこで学んだことから「人間の営みとは何か」を読み解き研究していきます。
また海外の文学を学ぶ場合もあります。
そのとき、その国の言語の理解も必要なため、外国語も一緒に学んでいきます。
そのため読み解く力だけでなく、語学力も身につけることができます。
心理・思想系は、主に心理学・哲学・宗教に分けられます。
そこでは人の心や物事の考え方などを学んでいきます。
心理学や哲学では、人がなぜそう思うのか、なぜ生きるのか、なぜ存在するのかなどをさまざまな観点から学んでいきます。
そこから最終的に「人間とは何か」を分析・研究していきます。
宗教学では世界中の宗教から、思想や社会、歴史を学んでいきます。
また宗教は美術が関連することも多く、芸術の視点から宗教の発展や歴史を分析することもあります。
歴史・地理系では、人間の歴史や地球の自然環境などを研究します。
各国の歴史や地形、気候、地域の文化や特性などを学んでいきます。
そのため現地に赴いての調査などフィールドワークを行っていくことが多いです。
最終的に資料の読み方や分析のしかたを学び、自分の興味のあるものを研究していきます。
文学部の卒業後の進路はどこが多いのでしょうか?
なかなかイメージがつきにくいと思います。
今回は主な就職先を紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
漫画や小説、雑誌などの書籍の制作に関われる出版業界、クリエイティブな仕事ができると広告・マスコミ業界は文学部の人気な就職先になります。
この業界では、専門分野の知識だけではなく、読まれるコンテンツとはどんなものか、売れるための言葉はどう選ぶかなど、効果のある広告を打つためにはどう人の気持ちを動かせるかが重要になってきます。
そこで文学部で学んだ、人がどう行動するのか、何に感情が動くのかなどといった論理的に対応できる知識とそこから分析する能力を活かすことができます。
サービス業界は、宿泊業、飲食サービス、娯楽業などがあります。
文学部の人たちは「誰かの役に立ちたい」「お客様に喜んでもらいたい」などのホスピタリティ精神のある人が多いです。
そのためサービス業界は文学部に人気のある業界になります。
またサービス業界では、日本に来た海外の人を接客する機会も多いため、さまざまな言語を学んでいる文学部は活躍できます。
文学部では、学校の教員や図書館の司書、博物館や美術館の管理を行う学芸員などがあります。
それだけでなく、教科の教員を目指し、実際に公立の中学や高校の教職に就く人もいます。
また公務員にはさまざまな仕事があり、特に地方創生や環境問題、まちづくりや防災などの分野には専門知識が必要になってきます。
そのため地域住民への行動を促すための施策づくりや認知度の向上などを推進するのに、文学部で学んだ人間科学や地理学、心理学などを活かすことができます。
いかがでしたか?
文学部=本のことについて深く学ぶイメージがあったと思います。
しかし文学のこと以外もたくさんの分野に分けて学ぶことができます。
もし自分の興味のある分野が今回紹介した中にあるのであれば、文学部に進学することをおすすめします。
同じ文学部でも、学べる内容が大学によって変わってきます。
ぜひいろいろ調べてみてください。