

さて宗教について話そうかなと思うのですが
 先に伝えておきますね。塾長は無宗教です。
 特定の宗教に肩入れもしていないのでその前提で読んでくださいね...
 実家は仏教ですが、高校はキリスト系の高校で、世界史でイスラム教も面白いなと思って調べたり
 その流れで新興宗教調べてみて、空飛ぶスパゲッティモンスター教までたどり着いたりしました。
 さて、そんな流れで世界の宗教についてはそれなりに詳しいのですが
 これがそこそこ受験で役立つんですよね。
 そんなわけで主要な宗教や現代文などの中でどのようなニュアンスをもって
 登場するかも踏まえて紹介しようと思います。
まずは世界三大宗教の中でも信者数が最も多いキリスト教からいきましょう。世界の人口の3割ほどがキリスト教徒と言われています。日本ではあまり身近に感じないかもしれませんが、実はクリスマスや日曜日の休日など、生活の中にキリスト教由来の文化がかなり入り込んでいます。キリスト教の中心にある考え方は「愛」と「赦し」。イエス・キリストが十字架にかけられたのも、他者の罪を背負うという象徴的な出来事とされています。受験では「隣人愛」「アガペー」「原罪」といった言葉がよく出てきますね。特に「アガペー(無償の愛)」は哲学や倫理の文章にもたびたび登場します。キリスト教の三大宗派の一つカトリックには最高指導者としてローマ教皇がいます。教皇は教皇選挙(コンクラーヴェ)で選出されますが、現在の教皇レオ14世が史上初アメリカ出身の教皇になったことでニュースにもなりました。
 多様化の一例として例示されることもあるかもしれません。ちなみに前教皇フランシスコ・現教皇レオ14世はともにリベラル寄りだといわれています。
次にイスラム教。こちらはキリスト教に次ぐ規模を持ち、特に中東や東南アジア、アフリカの北部では圧倒的多数派です。イスラム教は「アッラー(神)」への絶対的な服従を重んじ、生活のすみずみにまで信仰が浸透しています。例えば1日5回の礼拝、豚肉や酒を口にしない食の戒律、そして断食月ラマダーンなど。これらはすべて信仰心を日常生活の中で確認するための行いです。ちなみにキリスト教やユダヤ教と同じ「一神教」なので、旧約聖書に登場する人物(アブラハムなど)が共通しているのもポイント。受験では「コーラン(クルアーン)」「ムハンマド」などをしっかり押さえておきたいですね。イスラム教ではカトリックのように最高指導者は現在存在せず、シーア派・スン二派の二派閥のそれぞれにイマームやウラマーといった地域ごとの指導者がいます。イスラム教では女性はヒジャブと呼ばれるスカーフで肌を隠します。コーランの解釈で男女平等か男性優位か意見が割れており、女性の人権についての文脈で例として出てくることも考えられます。
そして日本でもっとも身近なのが仏教です。もともとは紀元前5世紀ごろのインドで、釈迦(ゴータマ・シッダールタ)によって始まりました。仏教の根本的な考え方は「苦しみの原因は執着にある」というもの。だからこそ「無我」「縁起」「中道」といった、欲望やこだわりから離れる思想が大切にされています。受験の現代文でも「諸行無常」「空(くう)」など、仏教的な表現は頻出です。日本では時代を経て大乗仏教として広まり、禅宗や浄土宗などさまざまな宗派が生まれました。日常の「南無阿弥陀仏」や「お盆」「お彼岸」も、実はこの流れの中にあります。よく誤解されますが、日本の仏教の宗教施設はお寺です。神社は後述する神道の施設なので混同しないようにしましょうね。仏教は日本の文化に深く染みついているため、日本人の性質を論述する際に、仏教的思考と合わせた文脈で語られることがあります。
日本の宗教として欠かせないのが神道です。仏教のように開祖がいたり、キリスト教やイスラム教のように経典があるわけではありません。神道はもともと日本人の暮らしや自然の中から生まれた信仰で、「アニミズム(自然崇拝)」の要素を強く持っています。つまり、山や川、岩、木、さらには雷や風といった自然現象のすべてに“神(かみ)”が宿ると考えるわけです。この考え方は、日本人の「八百万(やおよろず)の神」という言葉にも表れていますね。何かひとつの絶対的な神を信じるのではなく、身の回りのあらゆる存在を敬い、調和を大切にする。そんな柔らかい世界観が神道の特徴です。受験的にも「アニミズム」「自然崇拝」といったキーワードは倫理や文化史でよく出てきます。現代でも初詣やお祭り、神前結婚式など、私たちの生活のあちこちに神道の風習が息づいています。つまり神道は、信仰というよりも「日本人の心の文化」と言えるかもしれません。アニミズム的思考と言われたときにどんな思考なのかわかるようにしておきましょうね。
三大宗教は、キリスト・イスラム・仏教ですが、実は仏教よりも信仰人口が多いのがヒンドゥー教です。インドを中心に約10億人以上の信者がいるとも言われ、インド文化や社会の根幹を支えてきた宗教です。ヒンドゥー教は非常に多神的で、明確な開祖や統一された教典があるわけではありません。もともと古代インドのバラモン教が長い時間をかけて変化し、民間信仰や哲学思想が混ざり合って現在の形になりました。インド版神道ともいえる立ち位置でインド文化に深く根付いています。
 ヒンドゥー教の特徴的な考え方に「カルマ(業)」と「輪廻転生」があります。つまり、今の行い(カルマ)が次の人生を決めるというもの。だからこそ、善行を積み重ね、より良い来世を目指すという価値観が生まれました。この思想はのちに仏教にも大きな影響を与えています。
 さらに社会的な仕組みとして有名なのが「カースト制度」。生まれながらに職業や役割が決まるという厳しい制度で、現代インドでは法的に廃止されていますが、文化的な影響は今も根強く残っています。
 こうして見ると、ヒンドゥー教は神話・哲学・生活習慣が一体となった、非常に奥の深い宗教です。受験の世界史では「ヴェーダ」「ウパニシャッド」「輪廻」「解脱」などのキーワードを押さえておくといいでしょう。
実は、キリスト教やイスラム教などの元になっている宗教です。実は、キリスト教やイスラム教などの元になっている宗教です。つまりこのユダヤ教こそが「一神教の原点」とも言える存在なんです。ユダヤ教は紀元前に中東のヘブライ人(イスラエルの民)が信仰していた宗教で、「ヤハウェ」という唯一の神を信じます。多くの神々を信じる多神教が主流だった古代の世界の中で、たったひとりの神を信じるというのは非常に独特で、革命的な考え方でした。
 ユダヤ教の教えは「旧約聖書」と呼ばれる書物にまとめられています。これは後にキリスト教の聖書の前半部分として受け継がれ、さらにイスラム教でも重要な預言者たちの物語として共有されています。たとえば「ノアの箱舟」「モーセの十戒」「アブラハムの契約」など、どれもこのユダヤ教の物語に由来しています。
 ユダヤ教の中心的な考え方は、「神との契約」と「選ばれた民」という意識です。神との約束を守ることで祝福を受ける、という信仰が共同体の基盤になっています。また、食事の規定や安息日など、日常の行動にも細かいルールが定められています。
 受験で言えば、パレスチナはユダヤ教・キリスト教・イスラム教この三つが聖地を構えていることもあり、とても複雑な地域であり、今のパレスチナ問題にもつながっています。(イギリスのせいでもあります。気になる人は三枚舌外交で検索してみて、バルフォア宣言とか)
さて今日は、少し真面目に雑学系としてまとめてみました。
 どうでしょうか?最近は無宗教の若者も増えてきていますが、宗教は国・文化と密接に結び付いています。
 これら背景を知っておくことで、いろんなことに結び付くので一般教養として知っておきましょうね。
 高校生プレミアム 中野塾長
 高校生プレミアム 中野塾長責任感の強さと献身的な生徒対応力を買われ塾長に任命された。優しい論理派。キャンプやバスケ、スノボなどこう見えてアウトドア派。ゲームアニメも見たまんま好き。英語の教員免許を持っている。